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銀河黒猫物語 (崩壊編) [キルアの生い立ち]


「ええい! 何もかもが気にいらぬ・・・ 
おねまのデスラー勲章など取り上げじゃ!」しっぽベシッ! 

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暗黒星雲の彼方から黒猫が現れるまでの約5年間、腸よ鼻よと育てられていた
帝国の女王陛下にとっては何もかもが気に入らないのである・・・

黒猫が我が家にやってきたその翌日、女王陛下、熱発。41,5℃
排尿がストップし、マッサージしてもゼリー状の潜血尿が僅かばかり出るのみ。
尿毒症の痙攣症状が出たらマズイ事になるのが分かっていたのでタクシーを呼ぶ。
罹りつけのT先生は学会で都内におらず、犬猫24時間救急病院に搬送、入院。
その手の病院は深夜はアルバイトのドクターの事が多く、
この私に充分な説明もなしにギズモに点滴の針を刺したのである。
点滴が終了するまで付き添っていると申し出ると、
明らかに飼い主には早く帰って欲しいような雰囲気。
当直医が眠れないから嫌なのだろう。
しかも点滴の3分の2ぐらいになった頃ギズモが暴れて針が抜けた。
もういちど入れ直すのかと思ったら、当直医が「あ、もういいです」
おい、点滴するならするでちゃんと全部やれよ!と思ってしまった。
24時間救急を謳っているのにこれではありがたみ半減だ。
あの日の事は今でも鮮やかに覚えている。
私は根に持つ性格なのだ。特に猫の事は。

 「あの時は大変だったんだよー」
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 「ふん、勝手に黒猫なんか引き取ってくるからよ」

まずい事にその時期はどこも学会の時期で、
院長が帰ってくるまで更に入院と言われたのだが
2日目にひったくるように退院させT先生の病院に入院させてもらうことに。
この判断は英断であったと後に自分で自分を褒めてしまった蝙蝠猫である。
お診立ての結果は腎盂炎だった。
とにかく新参猫も連れてらっしゃいと言われた。
なにかこの小さな黒猫が細菌でも持っていたのだろうか?・・・

 「だからっ、あの黒いのいつまでいるの?」しっぽバンバン!
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 「まあまあ、そんなこと言わないで、仲良くやって頂戴よー。」

猫に「まあまあ、そこをなんとか」と言っても無理なのである。
ひとりぼっちで出窓に座り外を眺めているギズモを見る度、
ひとりで寂しいのではないだろうか?BFでもいればなあ・・・などと思い、
ちょっと年齢が離れているけど、と思いつつも
黒猫を迎えたのであるが、私の見通しが甘かったのだ。

一旦帰宅して黒猫を抱きかかえてみると、
お尻から白い3mm位の虫がムリムリムリッと何匹も出てきた。う、動いてるし!
おいおいおい、健康診断済みじゃなかったんかい!
キルアは子供時代のほんの一時期、母猫達と土の上で生活していた。
まあちょっとした虫や蚤ぐらいいても当たり前である。
しかしギズモは土の上を歩いたことがない。
露地栽培のネギと温室の胡蝶蘭のようなものだ。

だが、例え黒猫の精密検査の結果、万が一異常値が出ても
この期に及んでこの黒猫をまるで物のように返品する訳にはいかないのであった。
私が背負った愛の十字架である。

幸い、駆虫剤を処方されたのみで黒猫に異常はなかった。
私はこの時のギズモの疾患は心因性のものが大分影響しているのではないかと思っている。
自分はもういらんようになったんかい?と思ってしまったのではないだろうか。
ギズモには可哀そうな事をしてしまった。

 「おねいちゃん、僕いけないコなの?」
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 「そんな事ないよー。キル君は優しくていいコだよー」

それから猫2匹と独女の生活が始まったのだが、
お互い慣れたら、いつか仲良くなってくれるだろう・・・淡い期待を抱いて約80万光年
私に安寧の日々はない。まず熟睡ができないのである。

キルアが側を通りかかっただけでもギズモが威嚇する。
しかし、どちらかが怪我でもしたら私が後から大変なのだ。
猫の足音がする度に夜中に目が覚めてしまうのである。
(うちのは2匹共ポテポテと足音をたてて歩く)

仔猫のキルアがお腹をみせてどんなにスリスリしても全くダメ。
ギズモが受け付けないのだった。
私ならば、大して好きでもない男性から告白られて何度も誘われたら
「ま、ちょっとぐらいなら付き合ってもいいかー」なんて思ってしまうのに
猫のメスというのは気高いものだと妙に感心してしまった。

 「あ、あの・・・」
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 「シャーッ!!近寄らないでってば!」

2匹共が私の左肩の上に寝たがり、顔の上でバトルが始まる。
私の顔(まぶた)にはファンデーションでようやく隠れる位のキズがある。
猫の後ろ足で思い切りまぶたを蹴られ流血。これには泣いた。

ハンガーに掛けておいたバーバリーのコートの裏地には爪とぎ跡。
ペルシャ絨毯と羽毛布団はキルアのゲロまみれ
壁紙にはとゲロ染みと引っ掻き傷が。
出窓に吊るしてあるウン万円のサンゲツのオーダーカーテンはボロボロ。
ピアスの片われ、ヘアアクセサリー、使いやすい文具品、
お気に入りの化粧小物等は必要な時にことごとく行方不明。
コレクションのロイヤルコペンの陶器、バカラの置物は仕舞い込まざるを得ず
観葉植物やシンビジュウムの鉢植はなぎ倒され
3つあった熱帯魚の水槽も手放した。

こうして『キャリアウーマンの都会のおされなマンションライフ』は
二重銀河が消滅してゆくように崩壊していったのである。
それでも結構幸せな蝙蝠猫であった・・・合掌

Fin

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銀河黒猫物語 (逆襲編) [キルアの生い立ち]


 「そう、僕を最初に貰ってくれたのは・・・
今のおねいちゃんよりもっと若くてずっと綺麗なお姉さんでした。
女子大生っていう種類の人間だそうです」
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「Kさんちの軒下で産まれた本当の兄弟達と離れるのはちょっと不安だったけど
そんな若くて綺麗なお姉さんが新しいママになってくれるなんて
僕はとても嬉しかったんだ・・・」


・・・里親探しに疲れて焦ったのであろうか、なんとK氏が最後の黒猫を託したのは、
ペット飼育不可賃貸住宅独り暮らしの猫飼育初心者の大学生なのであった。五重苦である。
K氏も落ち着いて考えてみると無謀であったと後に述懐している。

黒猫は最初に『凜太郎』という名前をもらったらしい。
良い名前である。センスいいぞ、女子大生。
兄弟猫の中でも一番大人しく人懐こいこのコならば、
初心者にも飼育しやすいであろうと
わざわざ最後まで残されていたのだという。
その人懐こさが仇となり、災難にあったり貧乏くじを引く犬猫がいるのはよくある話である。
今日に至るまでこの黒猫はシャーをする事と爪を出すことをしない。
先天的に何かあるのか、戦闘能力に著しく欠けている。
おまけにこの黒猫は『啼き猫』なのだった。

8歳になる今でも「ウニャウニャ、アオアオアー」などと
四六時中なにかひとりで喋っているのである。
ひとりで留守番が出来ず、ひとり寝も出来ず、夜中になると大運動会。
寂しくなると「あおーん、あおーん」と啼きまくり。
敷地内に大家さんが住むペット飼育不可のアパートで
こういうタイプの仔猫を飼い始めるとは
さぞかし女子大生も神経衰弱した事であろう。
そーいう訳で一週間で返品である。

「若くて綺麗で女子大生なお姉さんは、僕の事もう面倒見切れないって
一週間で返品されちゃった・・・」

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「でもたったひとつ感謝してるのは、内緒でどっか遠くに僕を捨てにいかないで
ちゃんとKさんちに戻してくれたってことさ」


いちど他人の手に渡った動物が戻された場合、新たな引き取り手を捜す事は更に難しい。
動物自身にもトラウマが残った場合などは一生みそが付く事が多いのだ。
何だか自分の手元に置くのにはちょうどいいくらいの境遇の猫でもあるような気がしてきた。
そういえば先住猫ギズモもペットショップの出戻り組だ。
ええーい、私が飼わずに誰が飼う。

その女子大生の名誉の為に言っておくが、女子大生は凜太郎をK氏宅に戻しにきた時に
泣きながら去っていったという。彼女なりに猫を可愛がり、
猫のいる生活を夢に描いていたのだろうと思う。五重苦だったけどな。
断じてヒステリーによる虐待などはしていなかったようだ。

8年前に一週間だけ凜太郎のママだった会った事もない貴女・・・
このブログを貴女が目にする可能性はないと思いますが
今頃は貴女も大学を卒業してOLさんでもしているのでしょうか?
あれから一度でも凜太郎の事を思い出したりしてくれた事はありますか?
凜太郎はこうして元気に生きてますよ。安心して下さい。

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そして、蝙蝠猫の苦難が始まるのは紛れもなく今後なのである。

「ちょっと、おねま。これってなによ。ギズ子の許可もなくどーゆーこと?」
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 「このマンションはギズ子とおねまのマンションなのよぅ!」

「野良上がりの黒くて臭い猫なんかと一緒になんて居られないわよッ!!」
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「キーッ! 許さないわッ!」

かくして西暦2000年9月 ギズモの逆襲が始まったのである。

To be continue

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銀河黒猫物語 (追憶編) [キルアの生い立ち]


 「どうも、マイヤー毛布大好き猫、キルアです」
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「今日から"僕とおねいちゃんの出逢い"の物語の連載が始まります。
おねいちゃんは三部作を予定しているみたいだよ」


8年前のある日、蝙蝠猫の当時の勤務先にご近所のK氏がやってきて
うちの軒下で産まれた黒猫を貰ってくれないかと言われた。
まがりなりにも内科・小児科の受付に猫の里親話を持ちかけてくるとは見上げた根性である。
それまでにも、猫に襲われ肋骨が見えている負傷鳩やら、
交通事故に逢った猫やら、カラスに襲われた仔猫など
ここの患者はいろんなものを受付に持ち込んでくるのである。
ところがここの院長先生はその手の小動物があまり好きではないのだった(人医だから当然である)
「うちは動物病院じゃないんだ。まあ、近所の患者さん達の頼みでもあるし、蝙蝠猫くん任せたよ」
院長はB型であった・・・

ちなみに鳩は製薬会社の御用聞きの車を出してもらい件の動物病院に入院。
蝙蝠猫はビビッた。鳩の治療費なんておいくら万円かかるか検討もつかないからだ。
しかしT先生は「うちは野生の動物は無料で診ますから、大丈夫ですよ」とのこと。
ありがとー ありがとー T先生。
その時、蝙蝠猫の心の片隅に(じゃあ今度、新しい猫を飼った折には、
近所の野良猫なんですけど、具合が悪いみたいなんで診てもらえませんか)
と言ってみたらどうだろう、という邪まな考えが浮かんでしまった事は否めない。

翌日、職場に動物病院から訃報が届き、鮨屋の板前くんを呼びつけ井の頭公園に鳩を埋葬。
シャベルを持ってきたかと訊ねたら「いえ、持ってません。あっでも、これがあります!」
板前くんは前掛けから割り箸を取り出した。
しかし、割り箸で穴を掘るのは大変なのだった。
途中で箸は折れるし、土を掻き出しきれず、力ばかりを消耗するのである。
上京して苦節16年・・・何の因果か井の頭公園で板前くんと鳩の墓穴を
割り箸で掘っている自分が何故だか滑稽だった。

交通事故にあった猫とカラスに襲われた仔猫は結局助からなかった。
動物病院の業者さんに頼み、府中市にある動物霊園で荼毘にふして共同墓地に埋葬した。
もちろん費用は蝙蝠猫と職場の同僚達の自腹ワリカンである。

ちなみに一緒に鳩を埋めた板前くんは、
今では吉祥寺の一等地で友人とふたりでお店を切り盛りしている。
始発まで営業のお店で、大変繁盛しているらしい。
猫の埋葬費用を負担してくれた同僚ふたりは、その後結婚して幸せな家庭を築き家族も増え
ひとりは国際結婚だったのでサンフランシスコで暮らしている。
どうにもなっていないのは私だけだ。

だけど、きっと私は犬や猫や鳥や亀などにも魂があると思うので、
最期まで面倒をみてあげればピンチの時になにかの力で助けられるような気がしている。
別にそういう事をアテにしているわけじゃないけれど。

さて、K氏は2週間にいちど処方箋を受け取りにくる度に、
自分の屋敷の軒下で産まれた5匹の仔猫達の話をするのだった。
母親猫と仔猫のうちメス1匹(キルアの姉にあたる)はK氏の母屋で引き取ることになったという。
5匹のうちこのメス1匹だけがアメショー柄の美猫だったそうだ。
他、黒猫4匹のうち3匹も良縁に恵まれて新しい家族のもとへ旅立って行ったという。
めでたし、めでたしではないか。残りの1匹も私などの出る幕ではあるまい。
K氏は一生懸命里親を探しているようだし、この分だと私などより経済力があり
大きなお屋敷に住んでいる心優しい飼い主に巡り会える確立も高いだろう・・・

ところがである、ある時を境に話が随分現実的になってきたのである。
昼休み時間にでも家に黒猫を見に来ないか?というのだ。
「エッ、今日ですか?」
いやいや、今日でもいつでもいいんだけどね。いやぁ、これが5匹の中で一番かわいくて
性格のいいコだったのでうちの娘が最後まで手元に置きたがってたくらいでねぇ。
でもうちでもこれ以上の多頭飼いは・・・

K氏のこれ以上は生き物は飼えないという状況は分かっていたので
なんとかしてあげたいと思うのだが、果たして我が家の先住猫ギズモがなんというだろうか?・・・
だいたいK氏のお屋敷は「どうぞここで野良猫の子供を産んでください」と言わんばかりの
造りなのだ。今までにも数々の野良猫や捨て猫の去勢手術や里親探しをしてきたらしい。
家族ぐるみで心の優しい人達なのだ。

そしてこの最後の1匹の黒猫がどんなに可愛いかをPRするK氏。
獣医さんに健康診断もしてもらったし、とにかく人懐こくて器量もいいし
こんなコは自分もめったにお目にかかった事がないくらいなのだと言う。
しかしそこで疑惑の念がむくむくと蝙蝠猫の小さな脳味噌の片隅に湧いてきたのである。
「そんなに器量良しで性格も良くて健康状態良好の猫が最後まで売れ残るなんてはずはなかろう。
これには、何か、訳があるのではないだろうか?・・・」

 「はい、僕には悲しい過去があったんです・・・」
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To be continue

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