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銀河黒猫物語 (追憶編) [キルアの生い立ち]


 「どうも、マイヤー毛布大好き猫、キルアです」
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「今日から"僕とおねいちゃんの出逢い"の物語の連載が始まります。
おねいちゃんは三部作を予定しているみたいだよ」


8年前のある日、蝙蝠猫の当時の勤務先にご近所のK氏がやってきて
うちの軒下で産まれた黒猫を貰ってくれないかと言われた。
まがりなりにも内科・小児科の受付に猫の里親話を持ちかけてくるとは見上げた根性である。
それまでにも、猫に襲われ肋骨が見えている負傷鳩やら、
交通事故に逢った猫やら、カラスに襲われた仔猫など
ここの患者はいろんなものを受付に持ち込んでくるのである。
ところがここの院長先生はその手の小動物があまり好きではないのだった(人医だから当然である)
「うちは動物病院じゃないんだ。まあ、近所の患者さん達の頼みでもあるし、蝙蝠猫くん任せたよ」
院長はB型であった・・・

ちなみに鳩は製薬会社の御用聞きの車を出してもらい件の動物病院に入院。
蝙蝠猫はビビッた。鳩の治療費なんておいくら万円かかるか検討もつかないからだ。
しかしT先生は「うちは野生の動物は無料で診ますから、大丈夫ですよ」とのこと。
ありがとー ありがとー T先生。
その時、蝙蝠猫の心の片隅に(じゃあ今度、新しい猫を飼った折には、
近所の野良猫なんですけど、具合が悪いみたいなんで診てもらえませんか)
と言ってみたらどうだろう、という邪まな考えが浮かんでしまった事は否めない。

翌日、職場に動物病院から訃報が届き、鮨屋の板前くんを呼びつけ井の頭公園に鳩を埋葬。
シャベルを持ってきたかと訊ねたら「いえ、持ってません。あっでも、これがあります!」
板前くんは前掛けから割り箸を取り出した。
しかし、割り箸で穴を掘るのは大変なのだった。
途中で箸は折れるし、土を掻き出しきれず、力ばかりを消耗するのである。
上京して苦節16年・・・何の因果か井の頭公園で板前くんと鳩の墓穴を
割り箸で掘っている自分が何故だか滑稽だった。

交通事故にあった猫とカラスに襲われた仔猫は結局助からなかった。
動物病院の業者さんに頼み、府中市にある動物霊園で荼毘にふして共同墓地に埋葬した。
もちろん費用は蝙蝠猫と職場の同僚達の自腹ワリカンである。

ちなみに一緒に鳩を埋めた板前くんは、
今では吉祥寺の一等地で友人とふたりでお店を切り盛りしている。
始発まで営業のお店で、大変繁盛しているらしい。
猫の埋葬費用を負担してくれた同僚ふたりは、その後結婚して幸せな家庭を築き家族も増え
ひとりは国際結婚だったのでサンフランシスコで暮らしている。
どうにもなっていないのは私だけだ。

だけど、きっと私は犬や猫や鳥や亀などにも魂があると思うので、
最期まで面倒をみてあげればピンチの時になにかの力で助けられるような気がしている。
別にそういう事をアテにしているわけじゃないけれど。

さて、K氏は2週間にいちど処方箋を受け取りにくる度に、
自分の屋敷の軒下で産まれた5匹の仔猫達の話をするのだった。
母親猫と仔猫のうちメス1匹(キルアの姉にあたる)はK氏の母屋で引き取ることになったという。
5匹のうちこのメス1匹だけがアメショー柄の美猫だったそうだ。
他、黒猫4匹のうち3匹も良縁に恵まれて新しい家族のもとへ旅立って行ったという。
めでたし、めでたしではないか。残りの1匹も私などの出る幕ではあるまい。
K氏は一生懸命里親を探しているようだし、この分だと私などより経済力があり
大きなお屋敷に住んでいる心優しい飼い主に巡り会える確立も高いだろう・・・

ところがである、ある時を境に話が随分現実的になってきたのである。
昼休み時間にでも家に黒猫を見に来ないか?というのだ。
「エッ、今日ですか?」
いやいや、今日でもいつでもいいんだけどね。いやぁ、これが5匹の中で一番かわいくて
性格のいいコだったのでうちの娘が最後まで手元に置きたがってたくらいでねぇ。
でもうちでもこれ以上の多頭飼いは・・・

K氏のこれ以上は生き物は飼えないという状況は分かっていたので
なんとかしてあげたいと思うのだが、果たして我が家の先住猫ギズモがなんというだろうか?・・・
だいたいK氏のお屋敷は「どうぞここで野良猫の子供を産んでください」と言わんばかりの
造りなのだ。今までにも数々の野良猫や捨て猫の去勢手術や里親探しをしてきたらしい。
家族ぐるみで心の優しい人達なのだ。

そしてこの最後の1匹の黒猫がどんなに可愛いかをPRするK氏。
獣医さんに健康診断もしてもらったし、とにかく人懐こくて器量もいいし
こんなコは自分もめったにお目にかかった事がないくらいなのだと言う。
しかしそこで疑惑の念がむくむくと蝙蝠猫の小さな脳味噌の片隅に湧いてきたのである。
「そんなに器量良しで性格も良くて健康状態良好の猫が最後まで売れ残るなんてはずはなかろう。
これには、何か、訳があるのではないだろうか?・・・」

 「はい、僕には悲しい過去があったんです・・・」
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To be continue

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コメント 2

SALY

蝙蝠猫さん じらさないで 早くその先を
教えて~~~~(笑)

やっぱさぁ それぞれのドラマって あるよね…
チョコも 拾われてうちにきたんだもんな…

しかも ゴミ捨て場での出会い(笑)
by SALY (2008-04-05 05:09) 

蝙蝠猫

SALYさん、遊びに来てくれて有難うございます。
いや、ほら、お花見で忙しくって・・・更新できませんでした~。
by 蝙蝠猫 (2008-04-07 00:05) 

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